人が亡くなるという事はこんなにも大変な事

家族が亡くなるという経験をするという事はありません。
ですから、ほとんどの人が未経験な事なのです。
しかし、家族が亡くなるという事はこんなにもしなければいけないことが多いのかと驚くほどです。
まず、入院先の病院では、搬送する葬儀社が指定されていることがほとんどですが、葬儀の事もあるので葬儀社を決めます。
死亡診断書を受け取り、退院の手続き、医療費の清算をします。
葬儀社に全て葬儀の段取りを任せるというわけにはいきません。
菩提寺や親近者の連絡をしたり、葬儀に出席する人のリストなどは葬儀社には判断できないものがおおくあり、遺族がしなければいけない事はたくさんあります。
葬儀が無事に終わってもしなければいけない届け出や手続きがあります。
死亡届と火葬許可証申請と同時に行うことがほとんどで、たいていの場合は葬儀社に依頼します。
しかし、年金受給の停止・未支給年金の請求、介護保険資格喪失届、所得税準確定申告などその他まだあり、役所や行政で手続きをしなければいけません。
他にはクレジットカードの解約、電気・ガス・水道・NHK・インターネットなどの利用停止、生命保険金の請求、預金等の名義変更、不動産の相続登記などまだまだあります。
人が亡くなり社会との関わりが亡くなるという事はこんなにも大変なのかと思われるでしょう。

一段落したら遺品整理を考える

次にしなくてはいけないことと言えば、遺品の整理でしょう。
遺品を整理するという事は故人の遺品を残しておくものと、処分してしまうものに分けて片付けることです。
この作業に取り掛かるには、遺族の心の整理が出来てからが良いでしょう。
一般的には四十九日の法要の後に始めることが多いのですが、遺族が集まる前に全部ではなく集まった遺族に渡せるようある程度片付けて形見分けする物を整理するという場合もあります。
特に決まりはなく、一番優先される事は遺族の気持ちでしょう。
しかし、故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、すぐに部屋を引き渡さなければいけない場合もありますので、賃貸契約書か大家、不動産管理会社などで確認を取ることが必要です。
その場合は、賃貸料が発生してしまいますのですぐに片づけなければいけません。
遺族が集まる葬儀後か四十九日の法要に遺品の整理について話し合う事が必要です。

遺品整理は重労働

故人の持ち物を処分しない物とする物に分けて整理すると一言でいえば簡単な事なのですが、人が今まで生活していたものを全て整理するのですから、半端な量ではありません。
家具や家電も小さなものから大きな物までありますし、衣類、布団、書籍、雑誌、などの生活用品から故人のコレクションや趣味の物まで大量の物があります。
現金、印鑑、銀行の通帳、株式証券、骨とう品や美術品、貴金属やジュエリーなどの貴重品は取っておくものとしてすぐに判断ができますが、写真や故人の手作りの物、コレクション、趣味の物など大切にしていた物や遺族の思い出のあるものはなかなか処分することに抵抗を感じる場合があります。
その場合は処分をするかどうかの判断に時間がかかります。
こまごまとしたものを処分するか判断するのも精神的に大変な作業ですが、タンス、食器棚、テーブルといつた大きな家具や、テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの重たい家電も処分しなければいけず、これらを移動するだけでも重労働です。

地域のゴミ出しルールを守る

必要な物と不必要な物を分別するだけでも大変な作業ですが、それで終わりではありません。
処分しなければいけないのです。
故人と同じ地域にすんでいるのでしたら、ゴミ出しのルールが分かるのでゴミの分別の仕方、ゴミ出し日、粗大ごみの出し方などを迷わずに行う事ができます。
しかし、地域が違うとゴミ出しのやり方は全く違い大変です。
作業をする前には、ゴミ出しの分別方法、粗大ごみの扱い、それぞれの収集日の確認をし、それに合わせて作業の所要時間、人手を考え日程を決めなければいけません。
間違ったゴミ出しをすれば、残置されることもあり近隣住民の迷惑になります。
そうした行為は故人を冒涜することにもなり避けたい事です。

ゴミとして処分できないもの

必要が無いの物なのだけれどもゴミとして処分してしまうのは忍びないという物もあります。
例えば写真やアルバム、人形、故人が日頃身に着けていた物、大切にしていたコレクションや趣味の物などは故人の思いと遺族が故人を思う気持ちが邪魔をしてなかなか踏ん切りがつかないものです。
そのような場合は供養するという方法があります。
その一つにお焚き上げをします。
お焚き上げは密教の護摩業が由来といわれています。
神聖な火が、煩悩や邪悪なものを炎の力で清められると密教では考えられ、物を供養する為に行ったのがお焚き上げです。
また、日本は、昔から万物に霊魂が宿るという考え方があり、その考え方から針供養や人形供養があります。
お焚き上げは不用な物ではあるけれども捨てる事を躊躇する物に感謝の気持ちを込めて、炎の力で清め天に返すための儀式です。
また、遺品をお寺や神社で、僧侶や神官にお経や祝詞を唱えて頂いた後に、処分するという方法もあります。
注意しておきたい事は、神社に仏壇や仏具、寺に神棚やお札など明らかに宗教が違う物をお願いする事です。
なかには受け付けてくれる宗教もありますが、お願いする前に確認をしましょう。

本当に遺族だけで遺品整理ができるのか

遺族だけでの遺品の整理作業にはメリットがあります。
一番大きい事は業者の手を借りずに遺族だけの労力で行うのですから費用を抑えられるという事でしょう。
精神的な事では、故人の遺品を整理をしながら少しずつ遺族の心も整理していけるという事です。
そして、他人の手が入らない分遺品の扱い方や、紛失、破損などのトラブルが少なくて済む、たとえあったとしても遺族間で解決できるという事でしょう。
しかし、デメリットもあります。
まず、作業する人の時間と労力の問題です。
仕事が忙しくて時間ができない、遠方に住んでいて行くことができない、女性や高齢者のため力仕事が出来ないなど時間と労力がない場合が困るという事です。
また、せっかく故人の死を受け入れることができたのに、遺品を手にすると思いだして辛いという精神的な負担があることです。
処分する物が多く、仕事を休んでトラックを借り、処分場まで運ぶという場合も、車のレンタル料、仕事を休んだ分の賃金など費用がかかる場合もあります。
そう考えると遺族だけでの作業に限界があり、決して良い方法とは言えないこともあります。

遺品整理を経験したら考えてほしい生前整理

遺族が遺品の整理をして考えることが自分の事です。
このような大変な思いを残された家族にさせたくないという事です。
遺品の整理をしていて現金や預貯金などはすぐにわかるかもしれませんが、有価証券不動産の権利書、生命保険証書などは別の所にしまっておいたら捜すのに苦労します。
特に骨董品や貴金属、宝石などは存在自体知らないことが多いので大変です。
また、遺族では処分しても良い物か判断できない物もあり、故人に残してほしいものなのか尋ねることもできずに迷ってしまいます。
これからの生活に必要な物だけを残し、要らない家具や家電、不用品は処分し身軽になる事は、残された家族を思うだけでなくこれからの生活を快適に過ごせることにもつながります。
是非、生前整理もこの機会に考えてほしいものです。

遺品整理業の必要性

故人の住んでいる地域のゴミ出しにしたがい処理し、粗大ごみは受付をして処分場に運び入れる、そしてゴミとして処分することに抵抗があるものはお焚きあげの供養をしてもらい、最後は綺麗に掃除をすませるといった作業は多くの労力と時間がかかることを覚悟しなければいけません。
しかし、遺族でこれらの作業を全て抱え込まずに、出来ない部分を業者に依頼すれば良いのです。
遺族で話し合い、遺品の分別後のすべの不用品回収、粗大ごみの処理、作業後の部屋の掃除、不用品買取など必要とする分部だけを利用すると考えればよいのです。
賢く業者を使う事を考える必要があります。

遺品整理業者を利用するのは普通な事

高齢化社会、核家族化、独居老人などが当たり前になって来た現在では昔のように遺族だけで遺品の整理をする事が不可能になってきました。
そのような社会背景から、遺品整理業者も多くなってきています。
遺品整理を他人に頼むなんてと思われないかと気にされるかもしれませんが、今はプロの業者に頼む方がスムーズに運び良い場合もあります。
後回しにして、ゴミ屋敷化してしまえば悪臭や害虫で環境の悪化や、不法侵入や放火などの防犯面などで近隣住民に迷惑をかける事になります。
そうならないためにも、早い段階で業者に依頼する方が、余計な費用がかからなくて済みます。
今は自分が出来ない事は生活を犠牲にせずにサービスを受けることが普通になってきているのです。

買取サービスがある業者を選ぶ

遺品整理業者には不用品回収や買い取りを行っている会社があります。
多くの遺品の中にはまたまだ使えるものも多く、再販可能なものもおおくあります。
大阪の人ではありませんが、それらをお金をかけて処分するのはもったいないことです。
しかし、素人ではどれが買い取り可能な物なのか判断が付きません。
業者を選ぶ時は、販売ルートや買取品目が多く、高い知識を持ち適正価格を提示できるスタッフがいる会社を選びましょう。
知人やインターネットの口コミなどで判断できます。
一社に決めずに、無料出張見積で相見積もりをとりそれぞれの業者の得意とする分野を判断し自分が望むサービスを提供してくれる業者を選びます。
どうしても、作業料金の値段が気になりますが、サービスにあった料金か判断する必要があります。
後でトラブルにならないように、こちらが希望する作業内容を伝えることが大切です。

特別な部屋にも対応

悲しい事ではありますが、大切な家族が想像できない形での亡くなり方もあります。
そのような場合は、残された遺族は立ち直る事が不可能な事態にもなるのです。
しかし、非情ではありますがそのような場合こそ早く遺品の整理をしなければいけない事が多いのです。
遺族にとってその部屋の様子は衝撃的なことで、素人ではそのような部屋の後始末はできないものです。
けれど、大切な故人の遺品はゴミのように扱われたくない、なにか形見に残る物が欲しいと思います。
また、中には貴重品がある場合もあります。
自殺現場、事件現場、孤独死などの現場に対応した特殊清掃を行い、その中で遺族が希望する遺品や貴重品を探し出してくれる業者がいますので依頼する事をお勧めします。
また、希望があれば供養もしてくれますから、相談する事をお勧めします。

遺品整理士の存在

業者を選ぶポイントの一つとして、遺品整理士の存在があります。
仕事内容は、遺族の信頼のもとで連携をとり、遺族の気持ちに配慮し遺品を整理するだけでなく、リサイクルや産業廃棄物などの廃棄に関する専門知識を持ち、不用な遺品を適切に処理するというものです。
ですから、この資格を持つスタッフがいる会社は遺族と遺品に対して謙虚な姿勢を感じることができ、安心して任せられます。

できれば、作業に立ち会って

しかし、いくら遺族に対しての配慮や数多くの現場を経験した実績があったとしても、判断できないものがあります。
それは、故人と遺族の思いです。
これは当事者でなければわからないものがあります。
どんなに作業前に打ち合わせをしたとしても遺族が納得いくような判断はできません。
作業後に後悔しないためにも、作業に立ち会う事が少しでも納得がいく整理となります。

遺品整理を体験したら生前整理の相談も

遺品の整理を依頼した業者が親身になって相談に乗ってくれ、作業も丁寧で料金も納得できたならば、是非その業者に自分の生前整理の事を相談してはどうでしょうか。
その業者の仕事ぶりは分かっているのですから、安心して相談することができます。

遺品整理業者を利用することは遺族の生活を守る事

人が亡くなると思わぬ出費もあり、業者を頼むとその値段も気になって自分達でどうにかしようと思うものです。
しかし、遺品の整理に振り回されて、今までの生活が壊されることは避けなければいけません。
そうなれば、故人は悲しむ事でしょう。
遺品の整理や生前整理で業者を利用することは、残された遺族のこれからの生活を守る事にもつながるのです。