人が亡くなるという必然

私たちが生きる上でどうしても避けられないのが、「大切な人の死」です。
家族や友人を亡くした経験のある方もいれば、まだ経験していない方も大勢いますよね。
人が亡くなると、残された近しい人には悲しみだけでなく、生前の所有物や本人の無形遺産なども残ってしまいます。
悲しみは時間とともに少しずつ慣れていきますが、この残された遺品は自然に整理されることはないのです。
つまり、家族や親戚が整理しなければなりません。
しかし、この負担を少しでも軽くできる方法もあるので安心してください。
それがまさに生前整理です。
近年話題にもなっている就活の一貫で、生前整理を計画する方も増えてきました。
自分が亡くなった後に発生する様々な事を、あらかじめ自分で済ませておくことで、残された家族の負担を軽減させることができますよ。
この考えはこの先も増えていくと予想され、終活に関する書籍や特集番組も多くなっています。

生前に残された時間でできること

みなさんは自分の死について深く考えたことはありますか？それはただ自分自身のことだけでなく、残された家族がどのような感情になり、どのように生活しておくのかということも含めてのことです。
多くの人は死に対してネガティブな感情が強く、ついつい死について考えることを避ける傾向があります。
しかし、自分の死について考えることは、とても多くのメリットを生み出すのです。
例えば、忙しい日常の中で、ふと自分の死について考えるとします。
普段はあまり意識することのない時間の使い方や、残された時間の重要性に改めて気づくかもしれません。
その重要性に気づくことに、とても大きな意味があるのです。
これまで仕事を優先させていた方が、家族との時間を大切に使おうと考え直すかもしれませんし、忙しくてなかなか把握できなかった将来の金銭負担も見直すキッカケにもなります。
このように、自分の死を考えることがその先の生き方にも大きく影響を与えるのです。
初めはなんとなくでも構いません。
少しずつ意識をすることで、生前整理に関心を持ち始めます。
重要なことは、自分の死から逃げずにしっかりと向き合って考えることなのです。

遺品は自分で整理した方が効率的

そもそも生前整理が効率的なポイントはいくつもあり、できる限り多くの方が生前整理をしておくことが理想的です。
例えば自分の部屋を想像してください。
あなたは自分の所有するすべての荷物を把握していますか？おそらくほとんどの方は自分の荷物すべてを把握してませんよね。
その把握していない荷物まですべて整理すると考えた場合、とても多くの時間が必要になります。
しかし、その作業を自分ではない家族が整理した場合はさらに多くの時間が必要です。
つまり、自分で整理しておく方法が圧倒的に効率的で、作業時間も短くなる可能性が高くなります。
これは普段の荷物整理でも同じことが言えます。
誰もが他人の荷物を整理する時、そのアイテムの重要性を的確に判断するのは難しいポイントです。
自分でもスムーズに判断できないケースもよくあります。
これは整理する効率に大きく関わることなので、しっかり把握しておいてくださいね。
また、遺品整理を余儀なくされる家族の精神状態も考えてみましょう。
あなたが亡くなった悲しみが完全に癒えるまでには時間がかかりますし、時間が経過しても悲しみが癒えない方もいます。
その悲しみを抱えながら整理するのは、とても辛い作業と感じる方も多くいるのです。
思い出の品や、あなたが愛用していたアイテムが見つかった時に、動揺して作業が止まってしまうことも十分考えられますよね。

遺産問題は揉めやすい要素

昔から、家族が亡くなった場合に揉めやすいのが遺産問題です。
よくドラマでもピックアップされ、遺産問題の泥沼化をテーマにしたドラマも多く存在します。
特に兄弟の人数が多い場合や、家族構成が複雑な方は注意が必要です。
これらの問題をできるだけスムーズに解決するためには、生前にしっかりと遺産相続に関する取り決めをしておくことが大切ですよ。
このような取り決めをしないまま亡くなった場合、最悪なケースとして、揉め事が大きくなり、家族離散にまで発展することも十分考えられるのです。
遺産相続に関してあまり詳しくない方も、専門家に依頼すれば問題ありません。

分別作業のポイント

何も計画せず、ただやみくもに分別しても問題は起こりません。
しかし、できるなら効率よく進め、少しでも早く分別作業を終わらせたいですよね。
そのためにはまず、分別作業を始める前にスケジュールをたてましょう。
整理作業を進める上で重要なのは、メリハリをつけて進めることです。
細かいことに執着して迷ってしまうのは仕方ありません。
しかし、あえて自分で区切りをつけることも大切ですよ。
分別作業はいつまでに終わらせるとしっかり決めておけば、気持ちの切り替えもしやすくなり、思い切って処分する決断もしやすくなります。
スケジュールを計画した後は、アイテム全体の量を把握することをオススメします。
全体の荷物がどれくらいあり、ジャンルごとにその偏りがあるのかは、後々の効率に大きく影響してくるポイントです。
この段階で全体を把握しておけば、より詳細なスケジュールをイメージしやすくなりますよ。
そしていよいよ分別作業の段階です。
ここでもポイントが２つあります。
それはアイテムのジャンル分けと作業スペースの確保です。
まず、似たようなアイテムごとに分けしましょう。
衣類、書籍、家電製品、書類など、それぞれのアイテムごとに仕分ける方が分別しやすくなります。
また、十分な作業スペースを確保しないまま作業するのも、効率が悪くなりやすい原因です。
大量のアイテムを分別する場合、どうしても煩雑になりやすく、その煩雑さが精神的な負担になってしまうことが多くなります。
できるだけ広く、日常生活に悪影響を及ぼさない作業空間を確保してくださいね。
理想的なのは、作業する部屋を１部屋決めて、完全に作業スペースにしてしまう方法です。
自宅が広くないとなかなかできない方法ですが、余裕があればこの方法がオススメですよ。

廃棄すべきアイテムとは

ここから紹介するのは、アイテムごとの具体的な特徴や整理ノウハウです。
アイテムによって特徴が異なり、慣れていない方はこれから紹介するポイントを意識すると整理しやすくなります。
まずは、生前整理で早めに廃棄しておくべきアイテムです。
自分の所有物の中で「今現在使用しておらず、過去１０年間使用していないアイテム」や「今現在使用していないにもかかわらず、税金や保険料が発生するアイテム」は廃棄することをオススメします。
例えば、昔は趣味で集めていたけれど、最近はあまり興味がなくなり、押し入れの中で眠っているモノはありませんか？特に１０年間も使用していないアイテムは、この先も使用する確率は低く、あなたが亡くなった後に必要になる可能性も高くありません。
また、車やバイクは、所有しているだけでも維持費が必要になるため、使用していない場合は廃棄することが理想的です。
無理に残して家族に金銭的負担を与えることも避けられます。
そして、不要になった書類もなるべく自分で廃棄しておきましょう。
書類の分別はなかなか難しく、第三者が判断するのに時間を要するアイテムの１つです。
少ないように見えても、意外と大量に見つかるのも厄介なポイントです。
あらかじめ自分で廃棄しておいた方が得策といえます。

形見として残しやすいアイテムとは

続いては、形見として残しておきやすいアイテムを紹介します。
近年、遺骨自体をアクセサリーにして形見にする方法も人気があります。
しかし、故人が生前に愛用していたアイテムを形見として使い続ける方法は、いまだに多くの方が実践している方法です。
故人を近くに感じられますし、大切に使い続けることで、故人の弔いの意味もあります。
このようなアイテムにピッタリなのが、アクセサリーやカバンです。
特にアクセサリーは経年劣化による消耗が少なく、家族が長く使い続けられることがメリットといえます。
カビなどの手入れさえ忘れなければ、半永久的に使用することも可能ですよ。
そのまま身につけられるので、遺骨加工のような加工費も必要ありません。
また、革製品のバックは、バックとして使用する方法以外にも、アクセサリーに加工する方法がありますよ。
このように、もともと長く使っていたアイテムは、形見になることを想定し、大切に保管しておくことをオススメします。

思い出を残しておく方法

そして、思い出の写真などをコンパクトに保管する方法も紹介します。
例えば、子供の成長記録などは、どうしても量が多くなりがちですよね。
保管している写真アルバムが膨大な数になり、かさばって困っている方も多くいます。
そんな場合にオススメの方法が、スキャンしてデータ化する方法です。
これまでに撮りためた写真は、家庭用スキャナーで簡単にデータ化することが可能です。
データ化すれば、物理的な保管量がほとんどなくなります。
また、データごとに分類し、インデックスをつけることで、目的の写真が見つけやすくなることもメリットですよ。

売却できるアイテムも存在する

家族に少しでも多く資金を残してあげたい方は、廃棄ではなく、リサイクルショップに売却する方法もありますよ。
この場合、アイテムによって売却する方法を工夫することがポイントです。
例えば、衣類の中でも高級ブランドのアイテムは、そのブランドを得意とする中古ブランドショップが効果的です。
さらに、大きな家具は店頭持ち込みではなく、出張買取を利用する方法がオススメです。
作業負担の軽減だけでなく、査定額にも大きく影響するポイントですよ。
また、高額査定を目指す場合に効果的な方法もあります。
それは説明書などの付属品とセットで査定してもらう方法です。
新品を購入した当初の状態に近ければ近いほど、買取してもらえる確率もアップしますし、査定額にも期待できます。
付属品をしっかり保管している方は、ぜひこのポイントを実践してみましょう。
そして、不用品買取をしてくれる遺品整理業者を利用する方法も効果的です。
日本全国にこのような業者はありますが、地域によって業者が多いエリアとそうでないエリアがあります。
大阪は整理業者だけでなくリサイクルショップなども多く、遺品整理や生前整理にはとても好都合なエリアです。
関西に住んでいる方にはとてもオススメのエリアといえます。

すべては家族のために

以上のように、生前整理にはさまざまなポイントや注意点が存在します。
これらはすべて、残された家族の負担を減らすために必要なことなのです。
あらかじめ早い時期から準備を始めれば、それだけ時間をかけて整理できます。
物理的に荷物を整理することで、気持ちも整理しやすくなります。
これまで自分の死について考えたことがない方は、一度真剣に考えてみましょう。
その結果、生前整理を始めようと決意した場合は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてくださいね。